囲碁は大学に入って友人と始めた。腕はなかなか上がらなかったが、50年続けて来ているというのは碁そのものがとても面白かったからであろう。
私にとっては趣味の碁があったことが、忙しく時にはつらい小児血液腫瘍の診療を長く続けてこられた理由のひとつであると思う。
精神的に気分転換ができたばかりでなく多くの人々ともめぐり逢えた外国旅行も好きだったが、現地の人と囲碁を楽しむことは本当におすそ分けしてあげたいような喜びであった。
今となっては一緒に行った仲間も年をとり、体力的にも気力の上でも世界囲碁旅行に出かけて行くことはできなくなってしまっている。
碁の世界を知ってもらうことと、碁を通して私を語るという意味でもこの欄を設けて、エッセー集を載せることにした。